不妊治療の助成金制度の見直し。年齢制限と回数制限が検討されています。

不妊治療は保険が適用されないため、多額の費用がかかります。
人工受精は1回数万円、体外受精や顕微鏡受精は1回で数十万円が必要です。
赤ちゃんを熱望する夫婦にとって、体力的にも経済的にも大きな負担がかかってきます。
そのような負担を軽減するために、2004年から不妊治療に対して助成金を受けられるようになりました。
現在は夫婦の年収の上限はありますが、最大10回まで助成されます。
しかし、晩婚化がすすみ、適用枠が広げられたことによって年々助成金対象者が大幅に増加し、母体の高齢化による問題も懸念されるようになってきました。そこで、より有効的な助成のあり方が議論されるようになり、対象者の年齢制限と助成回数の制限を設けることを検討されています。
女性の年齢は42歳(満43歳)まで、助成回数は原則6回(40歳以降に治療を始める場合は3回)までです。

なぜ制限が必要なのでしょうか。
医学的な統計によると、女性は43歳を過ぎると流産の確率、また妊娠に至った場合でも合併症の発症のリスクが非常に高くなります。年齢が上がるごとに治療効果が出にくくなってしまうのです。
年齢制限を設けることによって早期に集中的な治療が受けられるようにする狙いがあります。
また、体外受精は6回までで成功する確率が9割というデータがあり、助成回数も6回までになりました。

しかし、体質には個人差が大きく、一律に42歳までの年齢制限を設けてしまうことには反発の声もあります。
反対に、長年治療を続けている夫婦にとっては「治療のやめ時」が見つからず、高額な費用を払い続けて経済的に問題を抱えてしまったり、心身を病んでしまい、夫婦関係がぎくしゃくしてしまっているケースもあるので、線引きされることによって目標を定めやすくなり、覚悟を持って人生設計の調整ができるようになるという意見もあります。
助成金は公的なお金なので、使い方に条件やある程度の制限が加えられるのは仕方がないという状況である一方、不妊治療も保険適用範囲にする等、経済的問題で治療に踏み切れない家庭でも利用しやすい制度を設けて欲しいという声が多くあります。
多額な治療費のために会社を辞められないけれど、そのストレスの多い環境では体質改善ができず、治療効果が出にくいという難しい問題を解決するために、会社でも家庭でも意識改革を進め、周囲の人が不妊治療を理解し、協力できるように社会環境を整えていく必要があります。