男性側の不妊治療はアプローチし易いですが幾つかの問題もあります

不妊の原因には様々な要因が絡んでいます。世間一般のイメージで不妊について語られる場合、どうしてもそれが女性側の原因と思われてしまう事が多々あります。ですが実際には男性側に原因があるケースも多いのです。ですから不妊治療はパートナー片方に一方的に責任を押し付けたりせず、共に乗り越えてゆく形で治療を進めていった方が成功し易いのです。
不妊の原因については精子に問題がある場合が殆どです。詳しくは話しませんが、精液中の精虫の数が極端に少なかったり、運動不全を起こして受精のチャンスに全く活動出来ていないケースが多いのです。場合によっては精液中に精子が全く含まれていない無精子症と呼ばれる症状になっている事もあります。これは実際に精液を採取し観察する精液所見で明らかになります。もし女性側に全く問題が無いという事が判明すれば、男性側に集中して不妊治療に取り組む事になります。ここで大事なのは変なプライドや羞恥心を捨てて取り組まなければならないという事です。
以上の様に不妊の原因はかなりはっきり判明してきてはいるのですが、残念ながら現在の日本にはこうした男性側の不妊治療の専門家が非常に少ない事が問題です。ですから数少ない医師に対し患者が集中し治療までに数カ月以上も待たされるというケースもあります。不妊治療は時間に限りがあります。ですから必然的に時間との勝負になり、早目に治療に移れるレスポンスの向上が求められています。
精子が少ない、あるいは無精子の状態になる理由はいくつかありますが、代表的なものには精子を運搬する性路が詰まったり、あるいは陰のうの静脈に静脈瘤が生じ精嚢の温度が上がった結果精嚢の活動が衰えているという事があります。これら器質的な原因に対しては主に専門手術を行って症状を改善させます。また数少ない健全な精子を抽出し体外受精に転用するという技術も開発されており、比較的高い受精率を得ています。結論から言うと重度の不妊の場合体外受精を行った方が妊娠の確率ははるかに高く、結果が出るまでの時間のロスは格段に少ないと言えます。男女共に高齢の場合残された時間は少ないですから、いかに新鮮で正常な卵精子を早い段階で取り出し体外受精に繋げられるかが重要なのです。
最初に述べた様に不妊は女性側の問題とされ易く、男性側の問題であったとしても女性側の負担が消える事はありません。結局最後に妊娠・出産を行うのは女性の仕事だからです。ですから治療が楽だからと言って女性側のケアを蔑ろにする行為は絶対に慎むべきなのです。